在宅診療報酬(医療機関)

在宅診療報酬

平成28年診療報酬改定項目

 質の高い在宅医療・訪問看護の確保

  1.  在宅医療における重症度・居住場所に応じた評価
  2.  在宅医療を専門に行う医療機関の開設
  3.  小児在宅医療に係る評価の推進
  4.  在宅医療における看取り実績に関する評価
  5.  在宅自己注射指導管理料の見直し
  6.  在宅指導管理料等の評価
  7.  機能強化型訪問看護ステーションの要件
  8.  病院・診療所からの訪問看護評価
  9.  複数の実施主体による訪問看護の組み合わせ
  10.  衛生材料等の提供についての評価
  11.  在宅患者訪問薬剤管理指導料の見直し

《主な新設・変更項目》

  •  在宅時医学総合管理料(在医総管)、施設入居時等医学総合管理料(施設総管)

単一建物診療患者の新設(同一建物の廃止)、月1回の訪問診療での評価と別に定める状態の患者の評価
対象となる住まいの変更、重症加算より頻回訪問加算へ名称変更

  •  施設入居時等医学総合管理料(施設総管)

特定施設入居時等医学総合管理料(特医総管)より施設入居時等医学総合管理料(施設総管)名称変更

  •  在宅療養支援診療所・病院

機能強化型の施設基準変更(15歳未満の超・準超重症児に対して一定件数管理等)
在宅医療専門診療所の評価

  •  往診・訪問診療

往診料休日加算の新設、訪問診療料の「同一建物居住者の場合」が統一

  •  訪問看護

在宅患者訪問看護指導料(病院・診療所)の点数引き上げ、在宅患者訪問点滴注射管理指導料の引き上げ
点滴や処置での使用薬剤等の評価・検体採取の実施料評価
同一日に2か所目の訪問看護ステーションからの緊急訪問の評価

  •  在宅看取り

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算の新設、在宅療養実績加算2の新設

訪問診療・往診

在宅患者訪問診療料

在宅患者訪問診療料の算定の対象となる患者は、在宅での療養を行っている患者であって、疾病、傷病のために通院による療養が困難な方に、計画的な医学管理料の下に定期的に患家を訪問して診療を行った場合に算定

①同一建物居住者以外の場合

833点

②同一建物居住者の場合

203点

同居する同一世帯の複数の患者に対して診察をした場合など、同一の患家において2人 以上の患者を診療した場合には、1人目は、「1」の「同一建 物居住者以外の場合」を算定し、2人目以降の患者については、区分番号「A000」初 診料又は区分番号「A001」再診料若しくは区分番号「A002」外来診療料及び第2 章特掲診療料のみを算定する。

往診料

 現行の往診対応では状態悪化時の対応のみとなるためすぐに入院してしまうケースが多い。一方、往診とは、通院できない患者さまの要請を受けて、医師がその都度、診療を行う事です。

 C000 往診料

720点

  病床を有する場合の加算

  ① 緊急に行う往診 850点

  ② 夜間(深夜を除く。)又は休日の往診 1,700点

  ③ 深夜の往診 2,700点

  病床を有しない場合の加算

  ① 緊急に行う往診 750点

  ② 夜間(深夜を除く。)又は休日の往診 1,500点

  ③ 深夜の往診 2,500点

  在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院(イに規定するものを除く。)の 保険医が行う場合の加算

  ( 1 ) 緊急に行う往診 650点

  ( 2 ) 夜間(深夜を除く。)又は休日の往診 1,300点

  ( 3 ) 深夜の往診 2,300点

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算

 機能強化型の在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院のうち、緩和ケアに関する十分な経験を有し、十分な緊急往診や看取りの実績を有する保険医療機関に対する評価を新設する。

 (新) 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(緊急、夜間・休日又は深夜の往診) 100 点
 (新) 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(ターミナルケア加算)1,000 点
 (新) 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(在宅時医学総合管理料)
   単一建物診療患者数が1人の場合 400 点
   単一建物診療患者数が2~9人の場合 200 点
   その他の場合 100 点
 (新) 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(施設入居時等医学総合管理料)
   単一建物診療患者数が1人の場合 300 点
   単一建物診療患者数が2~9人の場合 150 点
   その他の場合 75 点
 (新) 在宅緩和ケア充実診療所・病院加算(在宅がん医療総合診療料)150 点

[施設基準]

  1. 機能強化型の在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の届出を行っていること。
  2. 過去 1 年間の緊急往診の実績を 15 件以上かつ在宅での看取りの実績を20 件以上有すること。
  3. 緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が 10 件以上の保険医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師(在宅医療を担当する医師に限る。)がいること。
  4. 末期の悪性腫瘍等の患者であって、鎮痛剤の経口投与では疼痛が改善しないものに、患者が自ら注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を過去1年間に2件以上有している、又は、過去に5件以上実施した経験のある常勤医師が配置されており、適切な方法によってオピオイド系鎮痛薬を投与(投与経路は問わないが、定期的な投与と頓用により患者が自ら疼痛を管理できるものに限る)した実績を過去1年間に10件以上有している。
  5. 「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針に準拠した緩和ケア研修会」又は「緩和ケアの基本教育のための都道府県指導者研修会等」を修了している常勤の医師がいること
  6. 緩和ケア病棟又は住宅での1年間の看取り実績が10件以上の保険医療機関に於いて、3カ月以上の勤務歴がある常勤の医師(在宅医療を担当する医師に限る)がいる。
  7. 院内等において、過去 1 年間の看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示をするなど、患者に対して必要な情報提供がなされている。

C002 在宅時医学総合管理料(月1回算定)【在医総管】

    在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院であって別に厚生労働大臣が定めるも のの場合


  往診及び訪問看護により24時間対応できる体制を確保し、在宅療養支援診療所又は在宅療 養支援病院の連絡担当者の氏名、連絡先電話番号等、担当日、緊急時の注意事項等並びに 往診担当医及び訪問看護担当者の氏名等について、文書により提供している患者に限る。

イ) 病床を有する場合

  • 別に厚生労働大臣が定める状態の患者に対し、月2回以上訪問診療を行って いる場合

  ① 単一建物診療患者が1人の場合5,400点
  ② 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合4,500点
  ③ ①及び②以外の場合2,880点

  •  月2回以上訪問診療を行っている場合(( 1 )の場合を除く。)

  ① 単一建物診療患者が1人の場合4,600点
  ② 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合2,500点
  ③ ①及び②以外の場合1,300点

  • 月1回訪問診療を行っている場合

  ① 単一建物診療患者が1人の場合2,760点
  ② 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合1,500点
  ③ ①及び②以外の場合780点

在宅がん医療総合診療料(1週間単位で算定)【在がん医総】

 対象の方

 居宅において療養を行っている通院が困難な末期の悪性腫瘍患者

 診療報酬

 訪問診療と訪問看護の費用は、在がん医総に包括される為。

 算定要件

 訪問診療と訪問看護併せて、週に4回以上の訪問でなお且つ訪問診療も訪問看護も最低1日の訪問が必要です。

(例)週に4日訪問したとしても、算定要件を満たしていれば7日分算定する事が出来ます。

※訪問診療も訪問看護診を毎日訪問する場合は、在がん医総算定ではその他の在宅療養指導管理が算定できなくなる為、包括算定の場合は医療機関側がマイナスとなってしまう事もあります。出来高で算定するか包括で算定するか、ケースや事情に合わせての算定となります。

 在宅がん総合診療料(1週間単位で算定)

  • 病床を有する機能強化型 

 院外処方せんを交付する場合 1日1,800点

 院外処方せんを交付しない場合 1日2,000点

  • 病床を有しない機能強化型

 院外処方せんを交付する場合 1日1,650点

 院外処方せんを交付しない場合 1日1,850点

  • 在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院の場合

 院外処方せんを交付する場合 1日1,495点

 院外処方せんを交付しない場合 1日1,685点

在宅ターミナルケア加算

算定要件

 在宅で死亡した患者(往診又は訪問診療を行った後,24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む)に対してその死亡日及び死亡日前14日以内に,2回以上の往診又は訪問診療を実施した場合に算定

在宅患者訪問診療に対する加算

  • 在宅ターミナルケア加算

在支診・在支病以外 3,000点

在支診・在支病(在宅療養実績加算)4,000点(750点)

機能強化型在支診・在支病(病床を有しない)5,000点

機能強化型在支診・在支病(病床を有する)6,000点

 事前に患者の家族等に対して十分な説明などを行い、患家で看取りを行った場合に算定

  • 看取り加算

在支診・在支病以外 3,000点

在支診・在支病(在宅療養実績加算)3,000点

機能強化型在支診・在支病(病床を有しない)3,000点

機能強化型在支診・在支病(病床を有する)3,000点

  • 死亡診断加算

在支診・在支病以外 200点

在支診・在支病(在宅療養実績加算)200点

機能強化型在支診・在支病(病床を有しない)200点

機能強化型在支診・在支病(病床を有する)200点

 訪問看護に対する加算

死亡日及び死亡前14日以内に介護保険と医療保険の給付の対象となる訪問看護をもとに1回以上行った場合は、最後に実施した保険制度の点数を算定

一律 2,000点の算定

在がん医総と在宅ターミナルケア加算は併算定できる。看取り加算も在がん医総と併算定できる。
看取り加算と死亡診断加算は併算定できない。

頻回訪問加算

訪問看護

 C005在宅患者訪問看護・指導料(1日につき)

 訪問看護とは、病気や障害があり通院困難な方が、住み慣れた地域やご自宅で、その人らしい療養生活を送れるように、看護師等が訪問し、看護のケアを提供すること。

保健師・助産師又は看護師による場合

週3日まで 580点

週4回以上 680点

准看護士による場合

週3日まで 530点

週4回以上 630点

悪性腫瘍の患者に対する緩和ケア
褥 瘡ケアに係る専門の研修を受けた看護師による場合 1285点


訪問リハビリテーション

訪問服薬

「在宅患者訪問薬剤管理指導」「居宅療養管理指導」

 在宅での療養を行っている患者さんであって、通院が困難な患者さんに対して医師の指示のもと、訪問して薬の管理や指導を行います。

訪問可能な距離は、訪問診療と同様に16キロ以内です。

薬剤師による訪問服薬管理とは・・・

  1. 薬の管理(お薬の飲み忘れや残薬の確認)
  2. お薬の正しい飲み方の説明
  3. 服用状況の管理
  4. 副作用の確認
  5. 生活環境の確認
  6. 多職種との情報共有ほかいろいろと薬剤師さんも対応してくれます。
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)

同一建物居住者以外の利用者 650点

麻薬管理指導加算等 1回につき 100点

  • 居宅療養管理指導料(介護保険)

同一建物居住者以外の利用者 503単位

麻薬管理指導加算等 1回につき 100単位